2003-06-06から1日間の記事一覧

陽炎の記 3

初めて実弾を込めた銃を渡されたとき、ひとみは裕子の顔を不思議そうに見つめた。 裕子の瞳は、この地に降り注ぐ強い日差しと時折起こる砂嵐のために、 緑白に焼けた虹彩に縁取られていた。 幼心にひとみは裕子の真剣な表情を綺麗だと思った。 「ええか、こ…

未だにMr.スプリンクラー氏から連絡が来る様子もなく、 彼がここにアクセスしているのかどうかさえ、ぼくにはわからない。 この世界で「陽炎の記」の先行きを知っているのは彼だけだ。 ぼくには送られてきた部分しか分からないし、 この作品は、彼がぼくの好…