未だにMr.スプリンクラー氏から連絡が来る様子もなく、
彼がここにアクセスしているのかどうかさえ、ぼくにはわからない。
 
この世界で「陽炎の記」の先行きを知っているのは彼だけだ。
ぼくには送られてきた部分しか分からないし、
この作品は、彼がぼくの好みに合わせて書いたことが見え見えなのにもかかわらず、
いまだ結末が分からないことには多少の苛立ちを覚えている。
 
なぜこのような事を書いているのかというと
彼が送ってきたものが、実は作品の冒頭部分だけだということがわかったからだ。